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「落ちぶれて袖に涙のかかる時 人の心の奥ぞ知らるる」。落語「鼠穴」。

2012年4月18日、毎日新聞夕刊の「あのときこの噺」は、
立川談志一門の惣領弟子(そうりょうでし)の
土橋亭里う馬(どきょうていりうば)さんで「鼠穴」。

《あの時この噺:土橋亭里う馬の「鼠穴」 師匠のかばん持ちで覚え》
http://mainichi.jp/enta/news/20120418dde012200027000c.html
http://mainichi.jp/enta/news/20120418dde012200027000c2.html

立川談志師匠の思い出、
そして、「鼠穴」について語っていらっしゃいます。

談志師匠の稽古(けいこ)は、
厳しかったようで、昔ながらの「三べん稽古」。
三度、師匠が手本を示してくれ、その間に、
覚えるというものです。

今では当たり前となっているテープなど録音は
できなかったようです。

さて、この「鼠穴」。

里う馬師匠は、談志師匠から、
一度も稽古をつけてもらったことがないのだとか。

そのかわりに、かばん持ちでついていった先の高座で、
師匠はかならずこの「鼠穴」をかけたと言います。

そしてしばらくして、
「おまえ、もう覚えたろ。やっていいよ」と
許しが出たそう。
ただ、実際に高座にかけたのは、真打ちになってからとのこと。

「鼠穴」は、次のようなお話。

放蕩息子で、親の遺産を博打で
なくしてしまった竹次郎が、
江戸で成功している兄に金を借りに行きます。

貸してくれたのは、わずか三文。

けれど、それを元手に商売を始めた竹次郎は、
大店を持つまでになります。
そして、借りた三文と利息を兄に返しに行き、
兄弟で酒を酌み交わし、兄の家に泊まることになります。
その留守中、店は火事となり、無一文に。

娘を伴い、再び、兄を訪れ、
借金を申し込んだのですが、断られます。

記事では、その時の決まり文句を、
師匠が良い言葉だと語っておいでです。

「落ちぶれて袖に涙のかかる時 人の心の奥ぞ知らるる」

落語は、肩の凝らない人生の教科書。
人の心の機微がよくわかります。

この詠み人知らずの和歌は、講談でも様々な作品に
引かれているようで、年寄りはよく言っていました。

自分も祖母から聞かされていた覚えがあります。

逆境にあった時こそ、人間の価値がわかる。
それは、その人もそうだが、周囲の人も。

手のひらを返したように、どんどん人は離れていく。
そこで支えてくれる、助けてくれる、見守ってくれる人は、
本当の自分の味方。

「まさかの友は真の友」なんて言葉もあります。

人生には浮き沈みがあります。
いつ自分が沈みかも知れないし、
誰かがそうなるかもしれない。

けれど、つきあい、態度を変えてはいけない。
良いときも悪い時も、同じでこそのつきあいと。

なかなか難しいですが、里う馬師匠の記事で、
久しぶりに祖母の戒めを思い出しました。

4月26日、お江戸日本橋亭で、
日本橋お江戸寄席が開かれ、
師匠も出演されるようです。

追記2014年4月30日

〇「鼠穴」のあらすじ、落ちは書いていません。
 お知りになりたい方は、是非、落語でどうぞ。



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コメント 1

nikitoki

なぜか昨日今日とこのエントリーにアクセスが集まっています。これまでも定期的にアクセスが集中していたのですが……。28日にお江戸日本橋亭で立川志らく・こしら親子会が行われ、そこでこしらさんが「鼠穴」をかけたよう。これがアクセス集中の理由?
by nikitoki (2017-03-29 18:20) 

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